蝙蝠
アカシアの雨に打たれて消えた人魚
にわか雨に開くコウモリ
弾む雨だれ刻みながら
手練れに囲まれ
声を失い
手に入れた足で蹴る言の葉
時の濁流引き摺り込まれ
もがく間も無く
鼓膜に響き
自分語りも許されぬ回想
泡沫(うたかた)にまじり
爆ぜた呪文
たゆたい見るうつつに
私は跡形もなく
どっちつかずで
跳ぶことのできなかった
焚き火の炎を
今はただ眺めているだけ
蝙蝠
アカシアの雨に打たれて消えた人魚
にわか雨に開くコウモリ
弾む雨だれ刻みながら
手練れに囲まれ
声を失い
手に入れた足で蹴る言の葉
時の濁流引き摺り込まれ
もがく間も無く
鼓膜に響き
自分語りも許されぬ回想
泡沫(うたかた)にまじり
爆ぜた呪文
たゆたい見るうつつに
私は跡形もなく
どっちつかずで
跳ぶことのできなかった
焚き火の炎を
今はただ眺めているだけ