shidouofthedeadの日記

日々の雑文帳

2023-06-01から1ヶ月間の記事一覧

浮草

私は東京生まれ東京育ちだが江戸っ子ではない。江戸っ子というのは三代、同じ下町の地で生まれ育たないと名乗れないらしい。息子は歌舞伎の演目の舞台になる神社仏閣の近くの公立の小学校に通った。そこにはそういうご子息が通っていて、広報誌の記事にもな…

忘れられないの

あれは25歳のクリスマスの翌日の夜。 受付嬢だった私は職場の憧れのオジサンに誘われ完全に舞い上がっていた。ホテルのラウンジで待ち合わせ、お酒を呑み、ほろ酔い気分で歩く銀座の街。 「風邪うつしちゃうかもしれないけど……キスしてもいい?」 不意に立ち…

つよいひと

2022.1.28 「つよいひと」だとよく女友だちから言われた。 「あなたはつよいから大丈夫」 果たして私は強かったのか? 強がっていただけ。 弱みを見せなかっただけ。 人に上手く頼れなかっただけ。 自分の足で立っていないと全てが壊れてしまうと思っていた…

永遠の少年

2022.1.23 高校生男子が街でワチャワチャしてるのを見るのが好きだ。コレは息子氏の親となってからの事でそれ以前、学級委員女子だった私は正直よくわからなかった。 映画「スタンドバイミー」や「打ち上げ花火下から見るか横から見るか(岩井俊二版)」の男子…

キョウソ誕生

学校の授業で制作した動画で私は神様を演ったことがある。私のことを嫌ってる男子学生と同じ制作班に組まれ、アイツも私の下手くそな演技見て笑ってやろうとしてのキャスティングだったんだろうけれども、残念、中二女子からの演劇少女をナメんなよっ! 正直…

踏み外したその轍

レールを踏み外してからが人生本番だ。私が踏み外したのは26歳のクリスマスの翌日、遅すぎた冬だった。あの日の東銀座から有楽町までの道すがら見た光は今でもぼんやりと頭の中に残っている。25までに世帯を持たない様だったら自分で家を出なさいとどこかで…

dawn

2022 09 22 Twitterより 昨日は実の父の告別式でした。私の両親共にこの世に居なくなりました。側から見たらごく普通の家族だったと思います。でも、私は「家族」というものから解き放されたと正直、ホッとしてしまったのです。父と母と妹との四人家族の中で…

境界線

境界線に立っている。ふわふわと漂うのはとても気持ち良いのだけどいつかはどちらかに飛び込まないとと思いつつその心地よさにいまは甘える。いずれ会おう。その日まで。

透明人間

高校の頃、私は不登校児だった。いじめにあってたわけではない。中学生の私は母親の言うことを守り、学校の言うことを守り、ただ、授業を暗記するだけで勉強ができた優等生だった。 単に自分がなかっただけだ。周りの言うことを吸収するだけ。自分で何かをす…

カナリヤ鳴く空

近頃は籠の鳥は放っても環境に順応できず力尽きてしまうので籠から出すのは残酷だといわれるらしい。歌を忘れたカナリヤも山に捨てられることなく籠の中で一生を終えるのだ。果たしてそれは幸せなのだろうか。例え、放たれた環境に順応できなくとも、例え、…

さて、どうしたものか

年齢というものに縛られる人にはなりたくなかった。働いていた会社の女社長に「カワイコちゃんぶってないで年相応の大人になりなさい」といわれたこともあったけど、カワイコちゃんぶってるつもりもなかったし、彼女の言うところの年相応の大人というものに…

そして私は孤高に立つ

むかし、女優志望の友人と一緒にいて露骨におめぇ邪魔だって態度取られたり職場の皆でカラオケ行って終電の時間だから伝えたら「あ、そう」と女ひとりの夜道を心配されることなく見送られひとりで帰る女だったので慣れっこでひとりでいいやと割り切って過ご…