shidouofthedeadの日記

日々の雑文帳

ふてほど

母が自宅で仕事をしてたので母方の祖母が私をよくお出かけに連れて行ってくれた。どこへ行った時だったか覚えてないのだけどバスの車窓から並走する自動車を眺めていたらとてもカッコいいおじさんが手を振ってくれた。まだ、小学校に上がる前の幼い私がその瞬間、とても恥ずかしくなって身を潜めた。

しかし、今一度、その姿が見たい衝動に駆られ、窓の外を見るとまだその車は並走していてその男性はまた手を振ってくれた。恥ずかしい、隠れる、でも、また、見る、手を振ってる。何度か繰り返し、その自動車は走り去った。あの熱いドキドキはなんだったんだろう。衝撃だった。

しばらくして、休日の昼下がりテレビを見ていて驚いた。あのおじさんが出ていた。
山城新伍という人だった。幼い頃の記憶だったので似た人だったのかもしれない。でも、あの時、私は確信したのだ。

不適切にもほどがあるでチョメチョメを聞くたびにそのことを思い出して、果たしてアレは現実だったのかずっと考えていた。
本物だったとして、幼い子にそんな思い出を強烈に残すほど手を振る優しさと強烈な色気を持ってた人だったのだなぁと大人になってこうして考える。

母に「ふしだらな娘だ」と評された私。幼児の頃に強烈な色気を受けてドキドキした敏感な私は確かに母の評した通りの娘だったのかもしれない。
それを封じるために潔癖に厳格に育てられたのかもしれない……でも、閉じ込められても拗らすだけで感性って変わらないんですよ。多分。

ドラマを観た後、そんなことをずっと考えていた。しかしまぁホントどうだったんだろうね?