shidouofthedeadの日記

日々の雑文帳

dawn

2022 09 22 Twitterより

昨日は実の父の告別式でした。私の両親共にこの世に居なくなりました。側から見たらごく普通の家族だったと思います。でも、私は「家族」というものから解き放されたと正直、ホッとしてしまったのです。父と母と妹との四人家族の中で私はどこか馴染めずにいました。相性から外れていたとしかいえません。

家族といえども人間なので全部血が解決するわけではなくやはり、抗えぬ相性ってものあると思うのです。生前母はそんな私を卑屈だと言いました。私はその言葉に一層卑屈になりました。あの当時の私に今だったらこう言ってあげたいです。「卑屈のどこが悪いんだ⁈」って肩を抱いてあげたいです。

そんな中で私は自分の存在を消すことを身につけてしまったのかもしれません。自分なんか居なくてもいいんだ。消えてしまいたいと。あの時、そんなことないよと言ってくれる人はどこにも居なかったし、卑屈だと責められるばかりだったのです。そういう時代でもあったのかもしれません。

そんな家族でしたので実質葬儀を回したのは妹夫婦で私はなんとも情けない姉でした。でも、それで良いんだとどこが遠くでみていました。棺に納める父の思い出の品を決める時、父の趣味の釣り具を入れようという話になったのですが、竿は焼くのにまずいのではとなり、私は変な悪戯ごころを出しました。

「釣りベストとかあったんぢゃない?」私自身への悪戯ごころでした。当日、祭壇に供えられた釣りベストをみて「あ、ポケットいっぱいあるヤツ!」とか言ってみたりして心の中で空虚に笑っていました。しかし、読経が始まった途端、なんだか怖くなってきたのです。

ひょっとしてコレは私の悪戯ではなくもっと前からの誰かの悪戯だったのではないか? と。確かに同時多発に同じ様に各々の箱推しに釣りベスト事件が起きるのは奇跡だとは思ってました。……黒い推しの上州屋ネタとかわかるのは父の趣味のお陰でした……コレってもしかして何かのメッセージだったの?

晩年の父は病も見つかり、痴呆も進み施設に預けられていました。夢と現を行き来してました。そんな父の最期の悪戯、ホントに悪い冗談だったのかもしれません。こんな人生の伏線回収あります?

釣りベストは妹夫婦の手で棺に納められ火葬されました。焼き上がるのを待ちながらそっと席を外しツイートを打ち色々なことを考えました。各々のベストを司りし者のこととか……こんな時に何考えてんだろうと……
そんな時、再び骨を拾いに火葬炉の前に呼ばれました。
火葬炉の前に足を踏み入れた途端、また、悪い悪戯が始まったのです。頭の中で読経の如くdawnが鳴り始めたのです。狂ってます。私は本当に狂ってる。しかし、脳内のミュージックは鳴り止みません。コレは何かのお告げなんですかね。夜明け。はじまり。暁。兆し……。

昨夜も一夜明けて今朝もアレは一体、なんだったんだろうなとぼんやりと考えています。単なる偶然か必然か? ベストの使命を終えたのかニュー衣装にシフトチェンジしていっても黒い推しを見ながらコレからも時折、考え続けるのかもしれません。

 

2023 夏 いまだにたまに釣りベストを着用する黒い推しを眺めつつ、なかなか腰を上げられず遺品整理ができない私。新盆までにはなんとかしないとと思いつつ。こちらにこの文を残します。