糸車廻り
針刺した白い指
毒回り眠る
茨巡る城
おだまきの
赤い糸絡みほどくことなく
程なく紅染まる夕暮れ
瞳と瞳が合って
指が触れ合うその時
忘れないと誓ったあの日の夜は遠く
ノンレムの森
乗れず彷徨う
馬車の轍
夢見ることなく
進む煙る道
浅い眠りにさすらいながら
甘いエグ味を懐かしむ舌
骨まで溶けるアラビアンナイト
魔法が解けたらアザミの庵
毎度
最後はもっと私を見て
縋る思いも空を切り
打ち破られた朝露の蜘蛛の巣
叫べども声は届くことなく
白む空に映ゆる
影だけが私のもの
漆黒の眼(まなこ)
眩い朝焼けに
閃光宿って我が身仄めく