shidouofthedeadの日記

日々の雑文帳

ひとり花一匁

祭囃子に耳を塞ぎ闇夜にひとり
花一匁


何も欲しがらず
誰も欲しがらず
見上げる遠い日の花火


パッと咲いて
散って
灰に


書いて消して
愛に蓋をする


瞳を閉じて
君を想うのか
恋は盲目
何も見えぬのか


後ろの正面
影法師も消え
鉄格子の籠
翼飛び立つ


丑三つ時の墨染めは
オートリバースで


暗中模索に進む三途の川
賽の河原に積む石は冷たく


あの子じゃわからん
この子じゃわからん


あの子になれなかった私は
誰にもなれなかった私


かりそめのよは終わり
聴こえてくるのはただあなたの声


後の祭りの面影すらなく
泣き濡れた頬を掌で覆う