shidouofthedeadの日記

日々の雑文帳

姥皮

Twitterが調子が悪いのでmixiを漁ってたらコレを最後にmixiの更新が止まっていた。なんか、また、この時と同じ感じの気持ちの時にTwitterが終わりそうになっててウケるな。コレを書いた時からこの姥皮という言葉が干支が一回りした後でもどこかしら心のどこかに張り付いている。わたしは姥皮だらけの人間だ。まぁ、中身も姥なわけだけども。
しかし、姥皮を被れない人が世には多く、それはそれで、幸せなんだろうなとあの当時からずっと思っている。 というわけでこちらに再掲

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 愛情に賞味期限がある様に友情にも賞味期限があると 
今朝、ラジオでなんたらプロデューサーと名乗る人が話していた。愛情は失恋でそのことを早く気付くけど友情は気付きづらいって。だから、友情も恋人と同じで失ったら新しい友だちを作ればいい。永遠の友情になんて縛られなくていいとその人は言っていた。 

 なるほどな。言われてみればそうかもしれない。女の友情なんて特に。そうでなくても私は女の友だちが少ない。何でかって言うと、私が美人だからだ。自分で言うと図々しく聞こえるかもしれないけれども、出会う人出会う人、小さな頃からみ~んなそう言ってくれるのだから多分、私は美人なんだと思う。美人だから、昔からよく、オンナノコたちに嫉妬された。 

 記憶に残っている一番古い嫉妬された思い出は幼稚園の頃のこと。クリスマスの聖劇で私が天使ガブリエルに選ばれた時、しばらく、他のオンナノコたちが一緒にお弁当を食べてくれなくなったことがあった。まぁ、その時はオトコノコたちとお弁当を食べたし、一緒に遊んだから別に寂しくなんてなかったけれども。そう、昔からオトコノコと一緒に遊ぶことが多かったし、その方が気が楽だった。なんでオンナノコたちは集団でくだらない嫉妬をするんだろう。なんで私が美人だっていうだけで仲間外にするんだろう。バカみたい。私はそんなことされてもめげなかったし、バカには迎合しなかったから余計、それに拍車をかけた。 

 そんな私でもオンナノコの友だちは何人かいた。彼女たちは私が美人だって言うことを素直に受け入れて、私を素直に羨んでくれた。だから、彼女たちには私の本当の気持ちを話したし、美人故の悩みとかも打ち明けたりした。 
 しかし、何年か経つとその友だちも自然と私から離れていった。これが所謂、賞味期限ってやつだったのかもしれない。いくら羨んでくれても根は下らない女だ。 
どこかでくすぶっていた嫉妬の炎が、ぶすぶすと時限発火するのかもしれない。 

 香葉子もそうだった。頭もセンスもいいのだけれどもどこかぱっとしない華のない女だった。あの頃、私は年上のカメラマンと付き合っていてその相談話を香葉子に良くした。香葉子は静かにその話を聞いて、私の思う様な返事をしてくれた。 
香葉子が下らない恋に落ちそうだった時、私は香葉子の話も聞いてあげた。そんな下らない恋愛しない方がいいとアドバイスしてあげた。 
 そんな香葉子がある日、反旗を翻した。年上のカメラマンとの付き合いにちょっと疲れてその頃、バイトしていたお店で知り合ったサラリーマンと私の家でホームパーティーをした。ちょっと、いいなぁと思った年下のオトコノコだった。本当はその子と二人っきりでやりたかったのだけれども、彼の友だちもみんなついてきちゃってちょっとがっかりした。不機嫌に私がしているとオトコノコたちは私の機嫌をとった。それが余計、腹にたった。 
「みんなにチヤホヤされたって嬉しくないわ。私は一人の男に愛されたいの!」 
私は彼を見つめてそう呟いてみたのだけれども彼は笑顔で 
「だって、由宇ちゃんは僕らのマドンナなんだもん。一人のものにしちゃだめだよ」なんていうもんだから、私はもっともっと腹が立ってグラスを彼に投げつけた。 

 「まったく、女心がわからない輩でまいったもんよ」 
香葉子は黙っていつもの様に聞いていた……んだと思っていた。 
「わからないのは由宇ちゃんなんじゃないの」 
香葉子が何をいっているのか私にはわからなかった 
「女心がわからないのは由宇ちゃんも一緒なんじゃないの?」 
香葉子が私の顔をじっと見た。 
「一人のものになんてなりたいなんて思ってないんじゃないの?みんなのマドンナでずっといたいんじゃないの」 
「何言ってるの?そんな下らないこと私が考えているわけないじゃない」 
「もう、うんざりだわ……私だって女なんだよわかってる?」 
「わかってるわよ。何いってるの香葉子」 
「私も由宇の言うところのくだらない女なんだよ……だから、もう……」 
香葉子が急に泣き出して、香葉子の時限装置がその瞬間に発火したのかもしれない。どうして発火したのかはわからないけれども。 

 女は本当に面倒くさい。だから、私は男友達といる方が気が楽でいい。ありのままの自分を受け入れてくれるから。女のくだらない付き合いなんていらない。 
私はくだらない女でなくてよかったと思う。たとえ、女友達がいなくても。 
女友達がいなくなっても。